美瑛の別荘
HOKKAIDO,BIEI
2022.5








大地と向き合うための計画
北海道・美瑛町のなだらかな丘陵地に計画した、個人所有の別荘である。周囲には人工的な要素がほとんどなく、視界の先まで連なる畑と山並みが、この土地の日常を形づくっている。建築は約50坪の平屋とし、風景の一部として静かに佇む存在であることを第一に考えた。主張する建築ではなく、環境に身を委ねるための器としての在り方を探った。
風景と建築の距離感
外観は水平性を強調した構成とし、重厚感のある素材を用いながらも、周囲の自然を遮らないスケール感に抑えている。軒の深さや開口部の位置は、夏の強い日差しと冬の低い太陽高度を丁寧に読み解きながら決定した。建物と大地の間に生まれるわずかな影や余白が、時間の移ろいを静かに映し出すことを意図している。
内と外が緩やかにつながる空間
室内からは一方向に限定せず、複数の視線が自然へと抜けるよう平面計画を行った。リビングから続くテラスは、屋内外の境界を曖昧にし、天候や季節に応じて居場所が変化する構成としている。風の通り道や光の入り方を細やかに調整することで、建築の内側にいながらも、常に外部の気配を感じられる空間となった。
厳しい環境に寄り添う性能
冬季の冷え込みが厳しい地域特性を踏まえ、高断熱・高気密を前提とした構造・設備計画を採用した。外気温に左右されにくい安定した室内環境は、滞在の快適性だけでなく、長時間を穏やかに過ごすための安心感をもたらしている。自然と共に生きることと、快適に住まうこと。その両立を静かに支える性能が、この別荘の根幹を成している。
所在地 | 北海道上川郡美瑛町 |
|---|---|
設計 | Standard Architects Inc. |
構造設計 | ONO建築構造 |
施工 | 石雲建設 |
主要構造 | 木造在来構法 |
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